詩・1ページ

なつが ゆく とき

なかないわたし なかなかなけない
とべないわたし はしわたりはしり
なつがちぢまる そらのしたから
とべないわたしはとびゆくあなたに

 

 

思い出すとき

思い出すのは
春と夏と秋と冬と

思い出すのは
顔と声と髪と指と

切符を買って会いに行こう
あのとき行きの電車に乗って
花束持って会いに行こう
いまはどこにもいないと知ってて

 

 

プラネタリウム・ドット・コム

電子の宇宙に飛び込んで
あなたの星に名前をつけた

ハンカチ落として帰ってきたの
偶然だよ

ずっと袖で顔をおさえてる

 

 

ことばあそび

暗い クライ 辛い
期待したいみたい
理解 破壊 疎外
誓い、もとい違い

廻る 変わる?据わる
破綻 加担 途端 『異端』

どうしようよ思考回路
こうしようよ死後解剖

頭のコアにあったのは
10文字足らずの言葉の は

 

 

閉じ込めて

言えない思いは
喉を伝って胸を締める

つたわらない思いは
指を伝って空に漏れる

どこにいこうかな
行き場をなくしたわたしと

どこにいるのかな
行き場をかくしたあなたと

 

 

声を

届かないあなたへ
届かない声を
届かない声を

気付いたらこっちを見て
聞こえたら手を振って

わたしの声は
もう
喉が痛くて出てこない

 

 

あいまいゆう

曖昧 甘いわマイmy、you
言うわ、言う、ではでもでもでも

she,he, 秘ず秘む
see “ha-ha…!!”

甘いは曖昧ままにはまいまい
参ったまあいい曖昧ままいい
でもまだ黙ったまままだまいまい
参った曖昧いいまま愛ない

 

 

さむくなったね

きみは夏が持ってった
寒い部屋とわたしを残して

寒くなったね と言えない世界に
わたしはひとり 何を思う
寒くなったね が聞けない世界で
わたしはひとり 誰を想う

きみに焦がれた夏の暑さへ
そのまま一緒に呑まれようか

 

 

空っぽになったら

空っぽになった体には
また何かを埋め立てればいい
空っぽになった心には
また何かを詰め変えればいい

空っぽになった私には
空き容量がたくさんある

好きなときに充たせばいいよ
お腹が空けばたくさん食べれる

 

 

夜ごと白昼夢

白昼夢

ふわふわ

いないいない

いけないいけない

夜のおはなし

もう寝る時間

おとぎ話は平等じゃない

 

 

生きていること

確かに私はあの時死んだ
家族に笑顔で見送られながら

確かに私はあの時死んだ
青と灰と格子に挟まれ

確かに私は今生きていた
笑って食べて好きを知って

確かに私は今生きている
心を揺らして涙を流して

 

 

漂流

「なくしたものは なんだっけ」
言葉にすると痛くなる

なくしたものと引き換えに
手にしたものはなんだっけ

なくしたもののところには
あたらしいものがやってくる

そう言ってくれた春の日は
痛みも忘れて私を流した

「なくしたものは なんだっけ」

 

 

お返事

制服を着て泣く私は
「笑えてますか」と手紙に書く

制服を脱いだ私は笑って
「泣いていたね」と返事を書く

 

 

寝言

夢なら覚めないで
でも覚めるとこは覚めて
都合のいいとこだけ現実にして 後はゆっくり眠らせて

 

 

空模様

雨の後には雲がかかり
雲がかかれば雨が降る

雨が止めば晴れるって
そんな話に力なく笑う

天気予報はあすも雨
傘を差す気分にもならない
週間予報は傘マーク
そういや傘すら持ってない

 

 

ホットケーキにシロップ

ちゃんと焼いてね
ちょっと焦げたぐらいが好きなの

中途半端に焼かないでね
生焼けは食べられないわ

あなたの焼き方は
危なっかしくて見てらんない

 

 

あの木を切ってまで
欲しかったものはなんだったの

切られた木は
もう
なにも実らない

欲しかったものは
触れることなく地面に落ちた

 

 

そして空に

わかっていたのに
涙も出ないのはどうして
静かに起きた風がキャンドルの灯を消す

残り香は
優しく空を舞う

残り香は
哀しく空になる

 

 

そのままで

わたしは わたしのままでいい

あなたは あなたのままがいい

このままで そのままで
そのままに あるままに

 

 

鈴がなる

ついておいで わたしのみちへ
鈴がなる鈴がなる

ほらみてごらん 指さす先を
胸がなる胸がなる

しらないおとが聞こえるよ
しらないひとに出会えるよ
きれいなおとが聞こえるよ
きれいなあすに出会えるよ

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