詩・3ページ

人工甘味料

糖分だけだと思ってた恋
最後はあいつに平らげられた

そんなもんでしょ愛だの恋だの
強めのアイラブ酔いきって
大したもんだねトワノアイ
空気を食べてはおかわりしてた

甘ったるいのはもういいわ
食後は苦いコーヒーを
「私はお腹が空いたのよ」

 

 

メンソールライト

明日も一緒にいられる確約が欲しくて
日付が変わるまで海を見ていた

なんとなく 煙草とライターを撮った

 

 

ツインテール

歌ってた
きみは 歌ってた

教えてくれないし
薦めてもくれないけど

歌ってた

それがわたしのジャケ写で
きみの歌が 歌だった

だからわたしも歌ってみた
きみっぽく歌ってみた

それが嬉しくて
それが全てのすべてだった

 

 

ポニーテール

聴き覚えのある声がして
視線をスピーカーに向ける

きみが歌っていた歌だ
きみが好きだった歌だ

きみが好きだった歌を
歌っていたきみを
わたしは好きだった

きみが好きだった

くすんでいたジャケ写が一気に映える
きみに会いたい

 

 

おだんご

あなたが会いたいのは
僕じゃないってことくらい
解ってる

イイオトモダチでいようと思った

あなたの歌声が遠くなり
くすんだ写真も磨かなくなった
イイオトモダチ

僕にはもうあなたはいない

僕の隣で揺れているのは
オトモダチなんかじゃなくて

 

 

続・ツインテール

懐かしい歌
跳ねる髪

終わったことだ
終わったことだ

けれどもし
この歌をどこかで聴いていたら
俺のことを思い出しますか

あなたはいつまでも
あの時の姿のまま
鮮やかな写真におさまっている

きっと 写真だけが 歌い続けている

けれどもし
俺のことを覚えていたら
あなたのために もう1度
この歌を歌わせてくれませんか

 

 

天使いわく

人間界に行く天使は
空から落ちてきた拍子に
羽を折って 無くしてしまう

だから
ひとの痛みが
ちょっとだけ
分かるような気がするんです

傷痕の残る背中から聞こえてきました

天使は ひとの姿によく似てる

 

 

こだわり

あなたの癖が忘れられなくて
ごはんにふりかけをかけることを
我慢している

あなたといた時を忘れたくなくて
ラーメンには必ず一味をかける

食べる頃には あなたのことなんて忘れてしまっているけれど
あなたといたあの頃を嫌ってしまいたくなくて

 

 

たん たん と

ひと屑の箱庭に寝っ転がって
天井を見上げる

それは空気の緩衝材
ぎゅうぎゅうに詰められて 私を保護する

あぁ このまま 溶けていきたいなぁ

なんとなく 象に水を飲ませた

 

 

09:40

世界が終わる頃になれば
僕はようやく布団から起き上がって
あいつとあいつとあいつらを
倒しにいく支度を始めると 思 う

 

 

晩秋に立つ

去年の夏が 懐かしいよ
君がまだ生きていたから
今でも僕の中で生きている
なんて 言えるかい

 

 

いっせーのーで

せーの で赤い糸を切った

短くなった糸じゃ
掛け違えたボタンも繕えない

さようなら、さようなら、
せーので目を瞑った

さようなら、さようなら
これ以上 言わせないで

 

 

フレーズ

おすすめって言ってたCD
最後に聴ける日は分かってた

『想いは必ず伝わる』
ことはなかったけど

『勇気を出して今を変えよう』
でも
変わらないことはあるんだけども

 

 

後悔と後悔

あなたの声を思い出してから
今年を終わらせることにしよう

あなたのコートの袖を思い出してから
今年の冬を片付けよう

こんな時に
何度も思い出すなんてね

嫌なやつだよね

 

 

はず わけ

来るはずがないのに
メールの着信を待ってる

あるはずがないのに
2度目のチャンスを待ってる

言えるわけがないのに
「あれから好きになった」なんて

会えるわけがないのに
こっちから傷付けておいて

 

 

5月12日13時半

教科書もノートもかばんも持たずに
ケータイだけを握りしめて
目をつぶり 廊下を走る

薄暗いベッドに潜り込み
カーテン閉めて息を殺した

ねぇ

ケータイ ここ圏外だってさ

 

 

還りたい場所

2015年を
きみはどこで見ている

私は
こんなに大きくなったのに
手を伸ばしても届きやしない

「還らないきみに 私から伝える」
世界は絶えず きみを守ると
私は絶えず きみを詠むと

2015年がもうすぐ終わるよ

 

 

還らない夢

ほら、世界が眠るよ

世界が眠りにつく前に
きみを取り戻そう

遠い星に行ったきみと
白昼夢のカウントダウン

世界が眠ったあと
私は
きみが目を覚ます夢をみた

 

 

眠れ 眠れ

眠れ 眠れ

昨日の悲しみも
明日の苦しみも

もういい

もういいから

永遠の安らぎと
全ての解放を

あたたかい毛布の中で
ゆっくりお休み

 

 

夢の中

やっと会えたと思ったのに
もう目を開けることはなく
それに気付いた私は
泣いて 泣いて 泣いて

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