詩・4ページ

寝言

迷惑メールの交換
その思いは
いつゴミ箱へ行く

 

 

和訳

友だちだから
友だちにはなれないのね

フォーエバーもさようならも
わたしはできないの

 

 

始まり

ずっと近くにいたのに ぼけっとしていたね
見せたことのない私が精一杯走り出す

あなたがすきかもしれない
すきになったかもしれない
すきじゃないほうがいいかもしれない

穏やかな波は理屈を飲み込んで
今 ゆっくりと水しぶきをあげた

 

 

ディスプレイ

会いに行けなくて ごめんね
雑踏の中増殖する広告
捧げる祈りは左クリック

カウンターは廻る
終わらないスクロール
変わらないエピローグ

画面の向こうのきみは綺麗だ

 

 

パイロット

低空飛行で会いに行く
いつだって縮められる螺旋の距離

私は今日も眠たいの

ハンドルさばきはギリギリセーフ
スレスレ着陸稀代のホープ

あなたに会いに行きたいの

螺旋の距離を飛び込み操り
夜空を飛び越え会いに行く
私は不眠のパイロット

 

 

判定

いる いない
微妙な「好き」
問い詰めたいのはベストアンサー

好きな人
なる ならぬ
ただ分かるのは明日会いたい

 

 

アクリルケース

密かに描かれた絵に
恋心
静かに抱き
指の先 そっと差し出す

世界と世界の境界線を撫でた時
あなたに愛を伝えたくなる

散りばめられた絵の具と
金銀に守られた
この時間

 

 

帰り道

5月の赤信号
もっときみを知りたい
ぽっと赤くなる頬に
今恋が弾ける

 

 

木曜の月

助けて 教えて 連れ出して
要らないものが多すぎるから
私はわたしを捨てちゃいそう

昨日の夢
時計の秒針
あの人の日記
満月の夜

こんな名前も要らない
要らない

わたしを捨てたらどうなるの
私はその後どうなるの
助けて 教えて 行かないで

 

 

夏のはじまり

そういえば今は夏だったね と
きみのシャツを見て思う
そういえば胸が痛いんだね と
きみの姿に気付き思う

形を見せずにあがる花火は
数文字だけの言えない火薬
言葉に出したら弾け散る
2言3言の見えない火薬

花火はきっと見せない 見えない

 

 

星の欠片

輝きをやめるとき
あの子はどれだけ泣いたのだろう
星になったとき
飲みかけの紅茶はどうしたのだろう

あの子が遺した星屑を
私は大事に撒き散らす

あの子が星になる前の
綺麗な姿を知っているから
私は大事に撒き散らす
あの子が生きた星の欠片を

 

 

風邪

嘘を、脱いで脱いで、
脱いで
余計なものを剥いだ心と
散らかる嘘

あなたが好きだと訴える
裸の心は訴える

嘘を、脱いで脱いで、
脱いで
あなたの「好き」が決壊した

嘘を脱ぐと脆くなる
素直になると風邪をひく

それでもあなたが好きで、欲しくて

 

 

空っぽのきみと抱き合って眠ろうか

午前3時

積もった吸殻
飲みかけのコーヒー
朝を拒む

ちぐはぐな2人から始まった
アイのない結末

生きたまま殺されるのも
息ができないほど繋がるのも
どちらも愉快だね

眠らない2人に

午前5時

 

 

最期の場所

最期の場所を探して歩く
こういうときは五感が鋭い

最期の場所を探して歩く
まだ信じてる救われる夢

最期の場所を探して歩く
足を止めない私の揺らぎ

最期の場所が決まったならば
救われる夢の世界が滲んだ

 

 

公開処刑

まさか私がなるという
練習台の処刑場
よくある話だ友達が
愛の言葉の練習台

刺さる愛の矢彼の言葉
あの子に贈る「好きです」を
笑ってえぐって引き抜いた

こんなあるあるな舞台は
あるあるだから舞台になると
処刑場から見える景色は
笑える程 アトから滲んだ

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